多くの企業がeスポーツに参入するワケとは?

多くの企業がeスポーツに参入するワケとは?
近年、eスポーツ市場は爆発的に拡大中だ。

1. 2022年に市場規模3,000億円超え!eスポーツがメダル種目に!?

1.1 eスポーツとは?

“「eスポーツ(esports)」とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称。
出典:eスポーツとは | 一般社団法人日本eスポーツ連合オフィシャルサイト

オランダの調査会社Newzooによると、eスポーツ市場は2018年には世界全体で約1,000億円にまで達し、アメリカの証券会社ゴールドマン・サックスの報告書でも「2022年には3,000億円に達するだろう」と推定しており、様々な業界からの参入が相次いでいる。

そして、eスポーツ市場の急成長に拍車をかけているのが、2024年のパリオリンピックだ。
パリオリンピックではeスポーツの採用も検討されており、その先駆けとして2018年のアジア競技大会では、デモンストレーション種目としてeスポーツが採用された実績がある。

また、2022年杭州アジア競技大会においても、eスポーツの正式採用が決まっている。
国内大会においては、2019年秋の茨城国民体育大会で、文化プログラムとして初めてeスポーツ大会が開催され、2020年の鹿児島国体でも開催が決定している。

eスポーツがここまで盛り上がっている理由や背景としては、以下の点が挙げられる。

01

10~40代の男女の77%が日常的にゲームを楽しんでいる

株式会社ゲームエイジ総研が10~40代の男女2,000名に対して実施したアンケート調査では、全体の77%が「日常的にゲームをしている」と回答している。
出典:⽇本総ゲーマー時代、ついに到来︕︕ ⽇本⼈の約8割が「⽇頃からゲーム」 “マニアックでオタク的”とはかけ離れている現代の『ゲーマー』像

ちなみに、2018年には、インターネットを通じて9,960万人もの人数が視聴した大会も開催されている。

それだけ、eスポーツは多くの人が関心を寄せている分野なのだ。

02

若年層に人気が高い

eスポーツは、若者を中心に世界中のユーザーを虜にしている。

eスポーツのコアなファン層は20~30代だ。
若年層の人気という点では、eスポーツが他のスポーツよりも大きく勝っているともいえる。

03

女性ファンも多い

ゲームといえば男性ファンが大半を占めると考える方が多いかもしれない。
しかし、競技内容にもよるが、eスポーツには3~4割の女性ファンが存在する。

「週刊ファミ通」を出版している株式会社Gzブレインのデータを見ても、決して男性だけの世界ではないことがわかるだろう。

男女比率データ 男性 女性
eスポーツ視聴者 72.1% 27.9%
eスポーツ参加者 58.8% 41.2%

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04

アマチュアでも楽しめる

高額な賞金を手にするプロプレーヤーがニュースになることが多いが、eスポーツはその他のスポーツと同様アマチュアでも楽しめる。
環境さえ整っていればオンラインでチームのメンバーとつながることもできるので、その他のスポーツよりも気軽に楽しめる側面もあるのだ。

05

全国に練習施設がある(増えている)

バッティングセンターやゴルフの練習場のような、eスポーツ専用の練習場が全国に増えている。
eスポーツに必要なパソコン、高速インターネット通信環境、机・椅子などの備品といった基本的な環境の他に、防音設備などが設けられていることも。

様々な側面からeスポーツが盛り上がっていることが確認できたのではないだろうか?
eスポーツの盛り上がりに関しては、市場の伸びはもちろん、eスポーツ関連の大会への協賛や現地視察を通じて、現場レベルでの盛り上がりを筆者も肌で感じている。

間違いなく、今後大きく発展していく分野であり、性別・人種・年齢関係なく老若男女楽しめるスポーツになる可能性があるだろう。男女の性差や身体的なハンディ、地域差といったことを意識することなく競技ができるのは、eスポーツならではだ。

2. 優勝賞金額が36億円の大会も開催! eスポーツビジネスのお金の動きとは!?

優勝賞金額が36億円の大会も開催! eスポーツビジネスのお金の動きとは!?

eスポーツ関連のニュースでは、億単位の高額賞金が取り上げられることも多い。
実際、2019年に実施されたDota2の大会、「The International 2019」では、賞金総額が36億円を超えたことで大きな話題になった。

国際的な大会は億単位の優勝賞金が設定されることも珍しくはないが、eスポーツ大会におけるお金の流れは、どのようになっているのだろうか?

一般的なスポーツ競技においては、興行主(権利者)が存在するのはおわかりだろう。興行主とは、例えばサッカーの国際大会でいえばFIFA(国際サッカー連盟)、プロ野球でいえば日本野球機構などのように、大会の主催やチケット・公式グッズの販売・管理などをおこなう団体のことだ。
eスポーツの場合は、各ゲームタイトル(ソフト)ごとに権利者が存在し、ゲームの配信やイベントの開催などによって収益を得ている。

eスポーツの大会においては、ゲーム開発者・提供者・スポンサー企業・イベント出資者などによって構成されており、優勝者や入賞者が手にする賞金の大部分は、スポンサー企業の出資によるものである。あるいは大会の権利者が高額の賞金を設定し、話題性をとるような広告宣伝効果を狙ったものも存在する。

ちなみに、上記のように大規模な大会も開催されてはいるものの、当然ながらすべてのプレーヤーが大金獲得だけを目指しているわけでもない。
以下で、プレーヤーの階層について簡単に紹介しよう。

2.1 プレーヤーの階層について

プレーヤーの階層としては、以下の4階層がある。

  1. プロプレーヤー
  2. アマチュアゲーム競技プレーヤー
  3. 一般ゲームプレーヤー
  4. ゲーム観戦者

「プロプレーヤー」には、賞金がかかった大会へ出場するプレーヤー、イベントなど興行へ出演するプレーヤー、ゲームの実況配信などを行うプレーヤーなど、様々な形態がある。いずれを行うにせよ相当の腕前が要求されることは言うまでもないだろう。

アマチュアゲーム競技プレーヤーと一般ゲームプレーヤーとの違いについても、明確な区分が決まっているわけではないが、公式大会にエントリーしているプロプレーヤー以外のプレーヤーをアマチュアゲーム競技プレーヤー、出場していないプレーヤーを一般ゲームプレーヤーと呼ぶ。

野球で例えれば、プロ野球選手=プロプレーヤー、甲子園球児や社会人野球チームの選手=アマチュアゲーム競技プレーヤー、草野球チームを楽しんでいる人=一般ゲームプレーヤー、といったニュアンスである。

3.eスポーツ協賛がぞくぞく増加中!
スポンサード企業の事例とQTnetの取組み

eスポーツ協賛がぞくぞく増加中!スポンサード企業の事例とQTnetの取組み

企業がeスポーツに参加する際の最もオーソドックスな方法は、スポンサーとしての参加である。

eスポーツの大会スポンサーになると、「多数のファンに対して広告が展開できる」「若者向けに自社をPRできる」「新たな企業価値をブランディングできる」といったメリットがある。 特にテレビを視聴しない若者に対しての広告手段として、様々な企業がeスポーツに注目している。

日本国内には大勢のeスポーツファンが存在しており、現在で約380万人、2022年には約790万人になるといわれている。全体的なパイとしても非常に集客力が高く、企業にとっては絶好の場といえるだろう。

さらに、eスポーツに取り組む企業は若年層から好印象を持たれることが多く、リクルート面での効果も期待できるだろう。

ここで、eスポーツに積極的に参加している企業の実例を4つご紹介する。様々な業態の企業が、認知度向上や自社商品の販促を目的に参入しているのがわかるはずだ。

01

大手自動車メーカー

大手自動車メーカーは、若者の車離れを阻止する目的でeスポーツに参入している。
スポンサーとして出資するだけでなく、自社の車を大会の賞品にすることで、ターゲットとなる若者に対し、自社製品をアピールすることにも積極的だ。
eスポーツ市場の熱狂的な若者と接点を持つことに成功した好例ではないだろうか?

02

寝具メーカー

老舗寝具メーカーは、eスポーツ選手のコンディションやパフォーマンスアップ支援という切り口でeスポーツに参入している。
睡眠について考えてもらうきっかけ作りを目的として、選手たちとの座談会も実施しているようだ。

03

大手コーヒーショップチェーン

コーヒーとeスポーツのパフォーマンスの関係性に着目した大手コーヒーショップチェーンも、eスポーツに参入している。
コーヒーとeスポーツのパフォーマンスの関係性はまだまだ一般には認知されていないが、eスポーツ選手たちの間では一部広まっているようだ。今後、選手を通じて一般の方々にも認知が広がっていくことが期待されている。

04

オリジナル雑貨やファッション販売のショップ

オリジナル雑貨やファッション販売のショップもeスポーツに参入しており、ゲームタイトルとのコラボやオリジナルグッズ開発といった取り組みをおこなっている。
このような自社の事業内容の特性・強みを活かした取り組みは、認知度向上に大きなプラスの影響があり、ビジネス拡大のきっかけになり得るものだ。

4. QTnetにおける
eスポーツ事業への想いとは

eスポーツのスポンサード企業は日本各地で増えており、その取り組みも非常にユニークなものになっている。
以下では、株式会社QTnetの事例を紹介しよう。

QTnetにおけるeスポーツ事業への想いとは

QTnetは「インターネット×ゲーム」の組合せであるeスポーツと主要事業のネットワーク事業との親和性に着目した。

そこで九州を拠点に活動するプロeスポーツチーム「Sengoku Gaming」2019年春からスポンサー契約を締結し、Sengoku Gamingの活動をサポートしてきた。さらに2020年1月には、チームの運営会社である、株式会社戦国を子会社化し、QTnetの通信インフラ基盤と、eスポーツ界でのSengoku Gamingの発信力によるさらなるシナジー発揮を狙っている。

今後ますます存在感が大きくなると予想されるeスポーツ業界。

QTnetは、九州の通信事業者として地域社会を盛り上げていきたいと考えている。eスポーツを多くの市場や雇用が生まれるビジネスチャンスととらえるだけではいけない。文化として発展させ、インターネットに慣れ親しむ若者世代がeスポーツに真剣に取り組む姿を地域社会が応援することで、九州経済を活性化させることができるのではないだろうか。

プロプレーヤーの高い発信力やeスポーツ市場の拡大を考えると、eスポーツに参入する企業はさらに増えていくだろう。

「自社でも何かeスポーツに取り組みたい」、「QTnetのeスポーツ事業について知りたい」という方がいれば、お問合せ窓口もしくは営業担当まで気軽に問合せてほしい。

QTnetは一緒にeスポーツを盛り上げていく仲間を募集している。

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