テキスト生成AIのプロンプトとは?
プロンプト例文やビジネスでの活用事例を紹介

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ChatGPTの登場を皮切りに、多くの企業で生成AIを業務に活用する取り組みが進められています。しかし、生成AIを試してみたものの期待した回答や成果が得られず、業務に活用するのは難しいと感じた方も多いのではないでしょうか。

テキスト生成AIを効果的に活用するためには、プロンプトと呼ばれる指示や命令文を適切に書くことが重要です。この記事では、テキスト生成AIのプロンプトの概要や、効果的なプロンプトの例文、生成AIの活用事例などをご紹介します。

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1. 生成AIの「プロンプト」とは?

まず、生成AIの仕組みとプロンプトとの関係性、重要性を解説します。

1.1. 生成AIの仕組み

生成AIとは、学習したデータをもとに、ユーザーからの指示や質問に対して回答を生成するAIです。生成AIに指示をし、文章やプログラムコードなどを一から生成させることができます。

生成AIの概要や活用方法については以下の記事でご紹介しています。あわせてご参照ください。

1.2. プロンプトとは?

生成AIの「プロンプト」とは、生成AIとやり取りする際に利用する指示や命令文を指します。「○○について教えてください」「○○の内容を要約してください」などがプロンプトにあたります。

1.3. プロンプトの重要性

生成AIから得られる回答はプロンプト次第で変わるため、プロンプトをどのように書くかはとても重要です。同じ生成AIに関する質問でも、「生成AIについて教えてください」と書くのと、「あなたは生成AIについて授業をしている先生です。生徒へ質問形式で生成AIについて説明してください。」というように「先生と生徒」という役割を指定して書くのとでは、得られる回答が異なります。

自分が得たい回答に基づき的確なプロンプトを作成することで、得られる回答の精度は高まり、作業効率も向上するでしょう。

2. テキスト生成AIのプロンプトを作成する際の手順

テキスト生成AIのプロンプトを作成する際の手順のイメージ画像

続いて、プロンプトの基本要素とあわせて押さえるべき、精度の高いプロンプトを作成するための具体的な手順をご紹介します。

2.1. 作成前に内容を整理する

プロンプトの作成を始める前に、まずは生成AIの利用目的と得たい回答の条件を整理しましょう。

目的を明確にする

目的が曖昧なままプロンプトを作成すると、プロンプトが抽象的になり、的外れな回答やはっきりとしない回答が出力される可能性が増します。達成したいことや求める具体的なアクションなど、必要な回答を明確にしておきましょう。

条件をまとめる

あらかじめ条件を絞り込んでプロンプトを作成すると、期待する回答が得られやすくなります。例えば、新規顧客と既存顧客にそれぞれ新商品を紹介するメール文を作成する場合、新規顧客と既存顧客とでは訴求ポイントが異なります。

期待する回答が得られるよう、下記の例のような絞り込み条件をまとめておきましょう。

  1. どの視点で回答がほしいのか(営業担当者視点、開発者視点 など)
  2. ターゲットは誰なのか(お客さま向け、社内向け、経営層向け など)
  3. 背景や設定情報
  4. 回答の文字数や形式
  5. 必ず記載したい内容 など

2.2. プロンプトは簡潔な内容にする

プロンプトによる指示が長文でまとまりがなくなると回答の精度が下がる可能性が高くなるため、できるだけ簡潔な内容にすることが重要です。指示が長くなる場合には、見出しを設定して分かりやすく組み立てる、箇条書きにする、数値などの具体的な条件を入れるといった工夫をしましょう。

2.3. 回答後はフィードバックを与える

最初のプロンプト入力で回答が不十分だった場合は、回答の良し悪しを指摘したうえでさらに追加情報を入力すると、理想的な回答に近づけることができます。やり取りを重ねることで回答の精度が高まっていくため、追加指示とフィードバックを繰り返すことが大切です。

3. 【例文付き】テキスト生成AIのプロンプト作成のコツ

テキスト生成AIのプロンプト作成のコツのイメージ画像

ここでは、精度の高い回答を得やすいプロンプト作成のコツを例文付きでご紹介します。

3.1. はじめに役割を定義する

プロンプトの最初に生成AIの役割や立場を宣言すると、役割や立場に即した回答が得られやすくなります。実際のシーンに合わせて役割や立場を定義するとよいでしょう。

<プロンプト例>

あなたは業務経験豊富なAIエンジニアです。
AI初心者の顧客に対し、AIの説明をしようとしています。
初心者でも分かりやすいように、AIとは何か、AIで何ができるのかを解説してください。

<生成AI(QT-Gen AI)の回答>

QT-Gen AIの回答画像

3.2. タスクを具体的かつ明確に提示する

「文章を要約してほしい」「資料を作成してほしい」など、生成AIに作業してもらいたい内容は具体的かつ明確に提示しましょう。回答形式に条件がある場合は合わせて提示しましょう。

<プロンプト例>

  • 表形式で説明してください。
  • 「です」「ます」調で文章を作成してください。
  • その分野の専門家として解説してください。

<生成AIからの回答を深堀りしたい場合>

  • 今の回答に対して、生成AIを活用しやすい業務、しにくい業務について詳しく教えてください。

など

3.3. 見出しを設定する(構造化する)

複数の条件を指定したい、構造化された回答を得たい場合などは、「#」を使って見出し設定することで、指示を簡潔にまとめられます。AIが理解しやすいよう、長文のプロンプトを避け、簡潔にまとめましょう。

<プロンプト例>

生成AIのChatGPT、Copilot、Geminiについて表形式でまとめてください。

#出力形式 :
表形式

#出力項目 :
提供元企業
リリース日
得意分野

3.4. 参考にしてほしい回答例を記載する

参考にしてほしい回答例があれば、プロンプトに入れ込むことで細かな指定をせずとも求める回答が得られる可能性が高まります。例えば、ある商品について商品名、商品概要、特徴、ターゲット層、メリット・デメリット、価格帯を説明してほしい場合、これらの要素を含んだ回答例をプロンプトで提示します。

<プロンプト例>

〇〇商品の情報について回答例を参考にまとめてください。

#回答例

  • 商品名
  • 商品概要
  • 特徴、ターゲット層
  • メリット・デメリット
  • 価格帯

4. 【例文付き】ビジネスで役立つテキスト生成AIプロンプト

ビジネスで役立つテキスト生成AIプロンプトのイメージ画像

ここでは、ビジネスで役立つ具体的なテキスト生成AIの活用方法をプロンプトの例文付きでご紹介します。

4.1. 文章・資料作成

メールやコラム記事、議事録、プレゼンの構成、マニュアルなどの文章・資料作成時、元になる文章を生成AIで作成することで業務を効率化できます。

<プロンプト例>

あなたは生成AIのソリューションを販売する優秀な営業スタッフです。
条件に基づき、取引先からのメールに対して返信メールを作成してください。

#取引先からのメール :
この度は生成AIソリューションについてのご提案ありがとうございます。導入ステップの件で少しご相談があります。……

#条件 :
文字数 : 350文字以内
丁寧な文章で簡潔な出力
「です」「ます」調

4.2. 文章の要約・校閲

議事録や資料を閲覧する際の内容要約、作成した文書の校閲に生成AIを活用することで、業務の手間を省き、所要時間を大幅に短縮できます。

<プロンプト例>

以下の文章を校閲してより読みやすい文章にしてください。特に誤字・脱字の修正、文法、句読点の使い方、冗長な表現の削除に注意してください。そのうえで、修正後の文章案を作成してください。

#文章
生成AIとは~~~

4.3. 翻訳

生成AIは、海外の論文や資料を閲覧したり、海外の顧客とやり取りしたりする場合の翻訳としても活用できます。

<プロンプト例>

原文から英文を生成してください。

#原文
当社で新しく生成AIソリューションの取り扱いを開始しました。

#状況
付き合いの長い既存顧客に対するメールでの報告

<生成AI(QT-Gen AI)の回答>

QT-Gen AIの回答画像

AIによる翻訳は、リアルタイムでの音声翻訳にも活用されています。QTnetが提供する「QTnet AI翻訳ソリューション」は、ビジネスシーンにおける対面での多言語コミュニケーションの場で活躍しています。AIによるリアルタイム翻訳を活用する場合は、こうしたサービスの利用を検討してはいかがでしょうか。

4.4. 企画立案・アイデア出し

企画書のベース作成や戦略・課題解決の壁打ちとしても生成AIは有効です。

<プロンプト例>

あなたは優秀なサービス企画担当者です。
新しい顧客体験を提案するための企画書を作ってください。

#企画書の目的
顧客満足度向上と新規顧客獲得

#ターゲット
20代~40代の都心在住の働き盛りの男女

#企画書の要素
タイトル、課題認識、ソリューション提案、まとめ

#条件
箇条書きにして項目を挙げてください。

#出力
表形式

<生成AI(QT-Gen AI)の回答>

QT-Gen AIの回答画像

4.5. 市場調査・マーケティング

生成AIは、競合や市場の情報収集や分析、考察などもできます。ただし、情報のリアルタイム性は生成AIのモデルごとに差があります。リアルタイム性の高い情報を扱う場合には、それに適した生成AIを利用するか、リアルタイム情報を学習させる仕組みを別で構築しましょう。

<プロンプト例>

あなたはIT業界のアナリストです。
競合他社の最新動向を調査し、強みと弱みについて分析してください。

#競合他社
A社
B社
C社

4.6. プログラミングのコード生成

プログラムのコード作成や解説、デバッグなどの活用も効果的です。コードが正しいものかを検証するプロセスは必要になりますが、コード作成の工数を大幅に短縮できる可能性があります。

<プロンプト例>

あなたはプロのITエンジニアです。
以下の要件に従ったデータベース接続を実行するため、コードに含まれている誤りを修正して正しいコードを作成してください。

#目的
Pythonコードを修正して、MySQLデータベースへの接続とデータの取得が正常におこなえるようにしたい

#対象となるコード
import mysql.connector
db = mysql.connector.connect(
host="localhost",
user="root",
password="password"
)
cursor = db.cursor()
cursor.execute("SELECT * FROM users")
result = cursor.fetchall()
for row in result:
print(row)

#条件:
MySQLへの接続時にデータベース名の指定が必要
エラー処理を追加

<生成AI(QT-Gen AI)の回答>

QT-Gen AIの回答画像

4.7. ディベート

あるテーマについて生成AIで複数の立場を設定してディベートさせることで、テーマを深堀りし、新しいアイデアを得ることもできます。

<プロンプト例>

あなたは各分野の専門家です。
今から「AI vs 人間」のテーマについて、3役を演じながらディベートしてください。
ディベートは5往復して回答を洗練してください。

#テーマ
AI vs 人間

#専門家
専門家1:AIリサーチャー
専門家2:経営コンサルタント
専門家3:倫理学者

#発言の順番
ランダムに発言するようにしてください

#議論の回数
5回会話を続けたところで一度会話を止めてください

ここまで、汎用的なビジネスシーンにおける生成AIの活用方法とプロンプト例をご紹介しましたが、プロンプト内容はシーンによって細かく修正が必要であり、入力内容が多くなるケースもあります。そのため、プロンプト作成に慣れていない方が生成AIをうまく活用できるようになるまでには時間がかかる可能性があります。

QTnetが提供する「QT-GenAI(キューティージェンエーアイ)」であれば、ケースに応じた豊富なプロンプトがあらかじめ用意されており、生成したい内容を端的に入力するだけで得たい回答が得られます。使い方も簡単なため、生成AIを初めて利用する方でも安心です。

詳細は、この記事の項目8「法人向け生成AIプラットフォーム『QT-GenAI』で業務効率化を促進」で解説します。

5. テキスト生成AIを使用する際の注意点

テキスト生成AIを使用する際の注意点のイメージ画像

テキスト生成AIは効果的に活用できれば非常に便利なものですが、注意点も複数あります。

5.1. 社外秘や機密情報は入力しない

生成AIは、ユーザーが入力した情報を学習データとして利用する場合があります。入力した情報が学習データに利用される場合、個人情報や社外秘の機密情報を入力すると、情報漏洩のリスクにつながります。機密情報は生成AIに入力しないよう注意しましょう。

また、社外秘ではない情報を扱う場合でも、あらかじめ提供元の情報取り扱い規約やポリシーを確認しておくことが重要です。

なお「QT-GenAI」は情報漏洩のリスクにも対応しています。企業単位で環境を構築することでお客さま環境の独立性を確保するとともに、お客さまの環境を生成AIと直接接続しないことで、生成AIに入力データを保存・学習させない仕組みとなっています。
これにより社内規定や就業規則、販売しているサービス・商品概要などの自社データを用いた回答を生成することも可能となります。また、独自のNGワードや禁止用語を設定できるため、社外秘情報の入力や不適切な利用の防止も図ることができます。

5.2. 著作権に注意する

AIが生成するコンテンツのなかには、既存の著作物の影響を強く受け、そのまま利用すると著作権侵害になりかねないものも含まれています。コンテンツを利用する前に、ツールを用いて著作権侵害をチェックしたり、専門家に相談して法的なアドバイスを受けたりすることが大切です。

5.3. 回答内容を精査する

生成AIは、事実に基づかない誤った回答をするケースがあります。このケースは「ハルシネーション」と呼ばれます。また、生成AIの学習データを意図的に細工し有害なデータを回答させる、「データポイズニング」と呼ばれる攻撃手法も出てきています。

これらの被害を受けないためには、生成AIが回答したデータを鵜呑みにせず、正しい内容かを必ず精査したうえで利用することが重要です。

6. 生成AIのビジネス活用事例

生成AIのビジネス活用事例のイメージ画像

続いて、企業や官公庁では生成AIがどのように活用され、どのような効果が得られているのか、具体的な活用事例をご紹介します。

6.1. 東京都庁:文章生成AI利活用ガイドラインの策定

東京都庁では、庁務に関する文章作成に生成AIの利活用を開始しています。
また、セキュリティ面でのリスクを低減しつつプロンプト作成に慣れていない職員でも活用できるよう、「文章生成AI利活用ガイドライン」を策定しています。

生成AIの導入およびガイドラインの策定により、職員アンケートで66%の職員が仕事の効率が向上したと回答しています。

6.2. 横須賀市:市長アバターが英語で情報発信

横須賀市では、生成AIを活用した英語での情報発信を2024年4月から開始しました。生成AIでリアルな市長アバターを作成し、市長定例記者会見の発表内容を英語で説明、市の公式YouTubeで発信する取り組みです。また、今後の展望として、防災や災害情報、観光情報の発信などへの活用が検討されています。

6.3. デジタル庁:テキスト生成AIのガイドブック公開

デジタル庁では、「テキスト生成AI利活用におけるリスクへの対策ガイドブック(α版)」を公開しています。生成AIを利用する際には、このガイドラインの内容を参照し、適切なリスク対策を取りましょう。

7. 法人向け生成AIプラットフォーム「QT-GenAI」で業務効率化を促進

QT-GenAI

QTnetが提供する法人向け生成AIプラットフォーム「QT-GenAI」は、Google社の支援のもとアンドドット株式会社と共同開発した、法人向けマルチ生成AIプラットフォームです。複数のAIモデルに対応しており、「GPTモデル」や「Geminiモデル」、「Claudeモデル」など、用途に応じてお好みのAIモデルを利用できます。

QT-GenAIは、直感的な操作性と豊富なプロンプトテンプレートにより、毎回長文のプロンプトを入力しなくても、生成AI初心者が簡単に高精度な結果を得られるよう設計されています。
例えば、専門家によるレビューや解説が可能なモードなども備わっています。

セキュリティ面においても、通信の暗号化や企業単位での利用環境構築による情報漏洩防止対策など、情報漏洩リスクを最小限に抑える高度なセキュリティ対策を実現しており安心してご利用いただけます。

お客さまのニーズに応じて、利用環境のカスタマイズからガイドライン作成支援、勉強会やハンズオン研修の実施まで、業務への円滑な導入と定着を支援する包括的なサポートをご提供します。生成AIの利活用をご検討の際は、ぜひお気軽にお問合せください。

8. まとめ

プロンプトはテキスト生成AIの回答内容を左右するものであり、効果的な生成AI利用を実現する大きな鍵です。しかし、生成AIの利用に慣れていない方が状況に応じた適切なプロンプトを作成するのは難しく、欲しい回答が得られずに利用が形骸化してしまうケースも多くあります。

テキスト生成AIを利用する際には、ガイドラインの策定や研修の開催などで社員のリテラシーを高めるとともに、豊富なテンプレートが用意されたソリューションの導入も検討しましょう。

7. 資料ダウンロード

お客さま情報をご入力後、「ビジネスの課題を生成AIで解決!QT-GenAI導入ガイド」をダウンロードいただけます。
QT-GenAIに関するご相談・お問合せについては、当社よりご連絡させていただきます。

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