データセンターは場所が重要?おすすめの立地条件と国内各エリアの特徴を紹介

データセンターは場所が重要?おすすめの立地条件と国内各エリアの特徴を紹介

データセンターの選定において、立地は運用の安定性やリスク管理に直結する重要な要素です。適切な立地を選ぶことでデータセンターに預けている企業のIT資産の安全性が高まるとともに、事業の継続性確保にもつながります。

この記事では、データセンター選びで重要となる立地のポイントや、国内外のデータセンターの場所に関する特徴を解説します。

1. データセンター選びで「場所」が重要なのはなぜ?

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データセンターは、企業のサーバーやネットワークなどのIT機器を安全に管理・運用するための場所を提供する施設です。これらの機器を24時間365日安定して稼働させるためのさまざまな機能が備わっています。
データセンターの詳細は以下の記事をご参照ください。

データセンターを選ぶ際、特に重要になるのがデータセンターの立地です。
データセンターには企業にとって重要な資産が集まっているため、安全かつ安定した運用が必要とされ、リスクの軽減が強く求められます。

その際、考えうるリスクとして最も大きいものは地震や津波、土砂災害などの自然災害です。災害発生の少ない地域や地盤が安定している地域を選ぶことでリスクを低減できるほか、アクセスがしやすく利便性の高い場所を選ぶことで、万が一の事態が発生した際にも事業継続性が向上します。

2. データセンターの住所が公開されない理由

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データセンターの正確な住所は公開されていないことが多いです。重要な情報資産を守るためには、物理的なセキュリティも欠かせません。住所を非公開にすることで、不正侵入や攻撃のリスクを減らすことができます。

ただし、データセンターは都市部やインフラが整った地域に集まっている傾向にあります。例えば、東京や大阪などの大都市圏には多くのデータセンターが立地しています。
それではなぜ、データセンターは特定の地域に集まりやすいのでしょうか?その理由は、データセンターに求められる場所の条件にあります。

3. ここをチェック!国内データセンターの場所選びのポイント

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データセンターに求められる場所の条件とはどのようなものなのでしょうか。ここでは、国内データセンターを利用するうえで考慮すべき場所選びのポイントをご紹介します。

3.1. 自然災害リスクが低いかどうか

日本は、地震や水害・土砂災害などの自然災害が発生するリスクが比較的高い国です。はじめに、自然災害のリスクに備えるにあたってどのような点に着目してデータセンターを選ぶべきかをご紹介します。

地震災害のリスクが低い

地震災害が発生すると、データセンターや内部設備の崩壊、データの損失、システムの停止といった被害が生じる可能性があります。データセンターは企業にとって重要なデータやシステムを保管する場所であるため、可能な限り被害を防ぐことが重要です。

地震災害のリスクを低減するためには、データセンターが建っているエリアの地盤の強さや活断層の有無を確認することが重要です。
J-SHIS(地震ハザードステーション)などのツールを活用すれば、将来的に地震による強い揺れが発生する可能性があるエリアを確認できます。

水害・土砂災害のリスクが少ない

データセンターが海抜の低い地域や河川の近くにある場合は、水害のリスクに注意が必要です。ハザードマップを確認し、水害リスクの低いエリアかを確認しておきましょう。
また、山間部は土砂災害のリスクが高くなる点も注意が必要です。

3.2. 利便性のある立地かどうか

平常時はデータセンター現地へ訪れることは多くありませんが、自然災害やセキュリティインシデントなど万が一の際は現地対応が必要になります。
緊急時の現地対応を考慮し、アクセスのよい立地にあるかを確認しましょう。

3.3. 遠隔地であるかどうか

「アクセスのよい場所」ということで会社近くのデータセンターを利用すべきかというと、必ずしもそうではありません。自然災害が発生した場合、一つのエリアに会社やデータを集中させることがリスクになりうるからです。

例えば首都圏内に会社がある場合、同じエリアのデータセンターを利用すると首都直下地震が発生した際にすべての機器やデータが利用できなくなってしまうリスクがあります。これは他のエリアでも同じことがいえます。

万が一の事態が起きても業務の継続性を確保できるよう、BCP対策として遠隔地のデータセンターを検討するとよいでしょう。
データセンターを活用したBCP対策は、総務省の「デジタル田園都市国家インフラ整備計画(改訂版)」のなかでも推進されています。

BCP対策のメリットや進め方については以下の記事で解説しています。ぜひあわせてご参照ください。

4. 国内で比較するデータセンターの立地の特徴

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ここからはより具体的に、国内の各地域におけるデータセンターの立地について、自然災害リスクと交通の利便性の観点で特徴やメリット、リスクを解説します。

4.1. 北海道・東北地方

北海道や東北地方は台風の影響を受けるリスクが比較的低く、冷涼な気候のため空調にかかるエネルギーコストを削減できるという省エネ観点でのメリットもあります。
一方、冬季は雪によって交通が困難になることがあるため、現地対応が必要な場合は余裕を持ったスケジュール調整が必要になります。

4.2. 関東・近畿・中部地方

関東地方は首都圏から、近畿・中部地方は名古屋や大阪などの都市部からのアクセス性が高い点が大きなメリットです。公共交通機関や高速道路網が充実しており、緊急時の対応もしやすいでしょう。
一方、地震のリスクが高まっているため、データセンターの耐震設計をよく確認しておく必要があります。

4.3. 中国・四国地方

中国・四国地方は首都圏や大阪圏から離れているため、企業のBCP対策に効果的です。
ただし四国地方は台風の影響を受けやすいため、風水害対策が必須となります。また、南海トラフ地震のリスクもあるため、耐震設計も確認しておきましょう。中国地方は比較的自然災害リスクが低い地域ですが、場所によっては土砂災害に注意が必要です。

4.4. 九州地方・沖縄

九州地方・沖縄は中国・四国地方と同様、首都圏や大阪圏から離れているため、災害時のバックアップ拠点や分散型として運用することで企業のBCP対策に有効です。
福岡などの都市を中心に首都圏や大阪圏からのアクセスが良好であり、主要ベンダーの保守拠点が多く、保守部品の調達やエンジニアの確保が容易にできる点もメリットでしょう。
比較的地震を含む自然災害リスクが低い地域であることも長所として挙げられます。ただし沖縄は台風の通り道であるため、風水害対策が必要です。

また環境省ではデータセンターにおける再生可能エネルギーの利活用を促進しています。
九州地方は日照条件がよく太陽光発電に適した環境であることに加え、地熱発電においても全国の40%を占める発電量を誇るなど、再生可能エネルギーを利用した電力供給能力が高いという強みがあります。

加えて、国全体でもCO2排出削減の取り組みが進められています。
QTnetデータセンターでは、データセンターの利用で生じるCO2排出量をオフセットすることができる「再生可能エネルギー供給サービス」を受け付けており、お客さまの環境への取り組みに貢献いたします。

5. 国内と海外でデータセンターに違いはある?特徴の比較

日本国内と海外を比較すると、日本は地域によって自然災害リスクが高い場所がある一方、免震構造のデータセンターが多く、災害対策が充実しています。また、情勢が安定していて治安が良く、セキュリティ対策も充実しているため、データの安全性が確保されやすいのも特徴です。

一方で海外のデータセンターは、コスト面が日本国内より安価な傾向にありますが、テロや紛争などのリスク、時差や言語の違いによるリスク、電力供給や通信が不安定になるリスクなどへの対策が必要となります。

6. 立地と合わせて確認したい、データセンターの「設備」について

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データセンターを選ぶ際は、ここまでご紹介した内容と合わせ、これからご紹介する設備面も確認しましょう。

6.1. 免震構造

地震発生時でも機器を継続運用するための対策がなされているかを確認しましょう。建物の地震対策には耐震・制震・免震の3つがあり、データセンターによって採用されている構造が異なります。衝撃を吸収して建物や機器へのダメージを防ぐ免震構造が採用されているかチェックすることをおすすめします。

6.2. 浸水対策

水害や津波などが発生した場合、機器が故障しないような対策も確認しましょう。データセンターでは、建物の高層化や防水扉の設置、重要機器の上層階配置などの対策が講じられています。

6.3. 防火・空調設備

データセンター選びの際、火災時の防火対策としては火災検知システムに加え、火災が拡大しないための耐火材や防火扉、消化時に機器を故障させないためのガス消化設備などが確認すべきポイントです。
また、機器を安定して稼働させるため、24時間365日の温湿度管理ができる空調設備があるかも確認しておきましょう。

6.4. セキュリティ設備

データセンター内の物理的なセキュリティ設備の充実性もチェックしておきましょう。一般的なセキュリティとしては生体認証を含む多階層の入退室管理や監視カメラによる常時監視、セキュリティゾーニングなどが挙げられます。

6.5. 回線設備

回線障害や停電時でも機器を稼働させるため、通信回線や電力設備の冗長性の確保も重要です。利用可能な回線キャリアや非常用電源の有無などを確認しておきましょう。

また、データセンターの設備とは異なりますが、ラックの空きスペースや利用コストにも注意が必要です。将来的な増設やオンプレミスからの機器移行などをふまえて十分な空きスペースがあるか、料金プランやオプションが自社にあった条件であるかを確認するようにしましょう。

7. 「福岡」を拠点に展開!安心と信頼のデータセンターサービス「QTnetデータセンター」

ここまで国内外のデータセンターの特徴をご紹介しましたが、データセンターを利用するにあたって特におすすめのエリアは「福岡」です。福岡は地震や津波などの災害リスクが低く、九州のビジネスの中心地として交通網をはじめさまざまなインフラが整備されています。

福岡のデータセンターのなかでも、「QTnetデータセンター」は、展開している3拠点とも駅から徒歩で通うことができるアクセス性の高さを持っています。

データセンターは設置スペースや設備の問題で郊外に立地しているケースも多く、駅や空港からの交通アクセスが不便な場所にある場合もあります。
その点、QTnetデータセンターであれば東京・大阪・名古屋といった主要都市から数時間でアクセスが可能であり、緊急時でもすぐに現場に駆けつけられます。福岡の主要な駅・空港・港は5㎞圏内に存在し、市内の移動もスムーズです。福岡国際空港の国内便は札幌から沖縄まで飛び、主要都市からの日帰り出張も可能です。

8. データセンターは設備も重要!
「QTnetデータセンター」の特徴と選ばれる理由

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QTnetデータセンターは、立地だけでなく設備面も充実したデータセンターです。
日本国内のデータセンターは、JDCC 日本データセンター協会が定めたデータセンターの品質基準によって、ティア1~4に格付けされています。QTnetデータセンターはこの基準で最高ランクのティア4であり、客観的に高い品質が保証されています。

また、仮想的に3つのデータセンターを1つのデータセンターとして利用できるVDCサービスにより、低コストかつロケーションフリーにデータセンターをご利用いただけます。マルチキャリア対応のため、任意の通信回線を利用した冗長化も可能です。

加えてQTnetデータセンターには国内主要インターネットエクスチェンジ(IX)事業者との接続ポイントがあり、ご要望によってインターネット通信の低遅延・低コスト化を図れる点も高く評価いただいております。

データ利活用やBCP対策などでデータセンターの利用をご検討中のお客さまは、ぜひお気軽にお問合せください。

9. まとめ

データセンターは、企業のIT機器やデータを安全かつ安定的に運用するために利用されますが、その効果を最大化するためには立地が非常に重要です。

データセンターを選ぶ際には、自然災害へのリスク、緊急時のアクセス性、BCP対策の3点を軸に、データセンターの立地が安全か、利便性が高いかを必ず確認するようにしましょう。